痴漢を疑われた場合の弁護士アクセス手段をいくつか挙げておこう
前回エントリにはきわめて大きな反響があった。
専門家の見解を全く信用せず「逃げるべし」という結論にこだわる人が多いのは少し意外だったが、説得しようとも思わない。
俺のブログに「俺は信じないぞ!逃げるしかない!」とか反応してる人は放射脳とかネトウヨとかと同じだと思う。日本は男に一方的に厳しい絶望的な社会だという世界観で固定されていて、その世界観に沿わない話は拒む。だからむしろ不利な話の方を好み、何とかできるよという助言は受け入れ難いのよ。
— ystk (@lawkus) 2017年5月13日
だいたい痴漢疑われたから全力で走ったら逃げ切れましたってないからな。仮に駅郊外に出られたとしても防犯カメラ映像やIC履歴ですぐ犯人特定できるしさ
— ぱねーさん (@Mstferries) 2017年5月13日
そんで捕まってみ。その後の勾留延長請求で
「実際逮捕時に逃走を試みており逃亡のおそれ顕著」
などと書かれんぞ。
逃げれば逃げ切れずに勾留までされる可能性が大だから、むしろそっちの方が弁護士費用は嵩むんだけどね(資力がなくて国選使える場合は別だが)。まあ何でもポジショントーク、何でもステマとか言うお馬鹿さんは勝手に不利益を被ればいいよ。これ昨日から何度も言ってるけど。 https://t.co/9TkEmcgBP3
— ystk (@lawkus) 2017年5月14日
お、Twitter名物、プロ捕まえて間違ったことをドヤる素人さんだ。絶対とはいえないが、今は逃げなきゃ勾留されない可能性の方が高いよ。弁護士つけてればなおさら。俺がここ2、3年で担当した条例違反の痴漢や盗撮で、勾留されたこと一度もない。 https://t.co/6dHuZPmbGK
— ystk (@lawkus) 2017年5月14日
まあこんな感じ。
この種の自己の思い込みにこだわりたい人は、勝手に逃走してひどい目に遭ってもらえばいいとして。*1
その他の指摘としては、「弁護士に連絡するといっても現実的に難しい」というのが多数あった。この指摘は正当だと思う。
だから、私には弁護士への連絡を勧めた責任もあるので、メールくれれば私の携帯教えるよということも追記した。実際多数のメールをいただいた。*2
昨日私が示した弁護士へのアクセス手段は、「元々知ってる弁護士に連絡」または「弁護士会に連絡」というものだった。
加えて、昨日今日、他の手段も色々あることがわかったので、以下にいくつか示しておく。*3
痴漢事件はやっているにせよそうでないにせよ勾留請求を却下させて身柄拘束を防ぐのが重要ですので早めに弁護士を呼ぶのが重要です。当事務所でも過去に痴漢事件は多く扱ってますし夜間土日でも電話受付してますのでいざという時は是非(ダイレクトマーケティング)。
— 大窪和久 (@okuboka) 2017年5月13日
上記の弁護士大窪氏*4とは面識はないが、所属の桜丘法律事務所は、刑事弁護やってる弁護士なら誰でも知っているくらい刑事弁護に定評のある事務所。
しかも所在地は痴漢・痴漢冤罪が多発しがちな渋谷だ。
桜丘が夜間土日も電話受付しているというのは正直知らなかった。これは覚えておかない手はないと思う。
次はこれ。
ローカス先生の記事には基本的に賛同します。
— 中村剛(take-five) (@take___five) 2017年5月13日
ただ、「連絡できる弁護士なんかいないよ」と仰る方もおられるでしょう。
そこで、当方ですよ。リンク先の弁護士ドットコムの電話は携帯電話直通になっているので、登録いただければ可能な限り駆けつけますよ(PR)。
このように、携帯電話直通の番号をオープンにしている弁護士もいる。迅速な初動が期待できると思う。
上記はあくまで昨日今日で私の目に止まった例を挙げたにすぎない。他にも同様のサービスをしている弁護士はいるはずなので、興味のある方は各自ググるなどして調べてほしい。
さらに、こんな保険もあるようだ。
見る限り悪くなさそうだ。月額590円。平日7~10時と17~24時が利用可能時間。ちゃんと出勤時間帯をカバーしている。
補償内容は、事件発生後48時間以内に発生した弁護士の相談料、接見費用が保険から出るらしい。
それより重要なのは、弁護士に即時ヘルプコールできる体制が整っているようだ。自動車保険でいえばロードサービスを保険屋が手配してくれるようなものか。
前回エントリでも書いたが、痴漢は裁判の結果なんかより身柄拘束阻止がよほど重要だ。逮捕させない・最悪逮捕されても勾留させないための弁護活動は事件発生後48時間以内に行われるものが大半だから、補償範囲も合理的といえそうだ。*5
以上、お役に立てば何より。
京葉弁護士法人(おおたかの森法律事務所・佐倉志津法律事務所) 代表
弁護士 三浦 義隆