弁護士三浦義隆のブログ

流山おおたかの森に事務所を構える弁護士三浦義隆のブログ。

弁護士が簡易裁判所を避ける理由

訴訟の一審の管轄は、請求額によって地方裁判所と簡易裁判所に分かれる。 例外もあるが、請求額が140万円を超える事件は地裁、140万円以下の事件は簡裁というのが原則的な振り分けだ。 先日、Twitterでこのようなアンケートをしてみた。 【弁護士にアンケー…

警察が被害者に示談を勧めて弁護士の事務所に連れて行くことは普通はない

フリージャーナリストの詩織氏が、準強姦被害を実名顔出しで訴えて話題を呼んでいる。 準強姦はあったかないか不明だからその点については述べない。 ただ、「警察が詩織氏に示談を迫り、頼まれもしないのに詩織氏を警察車両に乗せて、警察の伝手がある弁護…

週刊はてなブログは1→1→4→1→6位

最新の「週刊はてなブログ」(5月第4週分)が来た。 私のエントリは6位にランクインしているようだ。 これで、4月第5週以降の5週間は1→1→4→1→6位。 それでも5月のPVは、はてなブログだけだと月間80万行くか行かないかという感じ。 BLOGOSに転載されてる分も…

退職を強要される場合や退職勧奨に応じてしまった場合どうすべきか

前回エントリでは、労働者には退職勧奨に応じる義務はないし、むしろ拒んで解雇してもらった方が争いやすいから安易に応じず専門家に相談すべきだということを書いた。 今回はその続編として、 1. 断っても執拗に退職勧奨をされる等の場合どうすべきか 2. 本…

店員の隙を見て食い逃げしても処罰はされない

食い逃げ犯が検挙されたという報道をときどき目にする。詐欺罪で立件されるのが通常だ。 ところで、いわゆる「食い逃げ」にあたる行為でも、法律上処罰できない場合もあるのをご存知だろうか。 本ブログでは、個別の雑学的あるいは時事的なテーマを扱う場合…

「退職してくれ」と言われた場合にとるべき対応

今日は、労働者が使用者から退職勧奨(要するに、「退職してくれ」と言われること)を受けた場合にとるべき対応について書く。*1 退職勧奨を受けた場合、労働者がまず頭に入れておくべき基本事項は下記の3つだ。 退職しろと言われたからといって退職する義務…

痴漢被疑に関する野村修也氏の残念なコメントを添削してみた

中央大学法科大学院教授(商法学)で弁護士登録もしている野村修也氏が、何日か前に痴漢被疑対策の件で日テレに出て話をしたようだ。 かつて存在した大学教授の特例制度で弁護士登録したから司法試験に合格しているわけではない野村氏は、名門中央大学のロース…

40年以上前の殺人事件に公訴時効が成立しない理由を解説しよう

1.なぜ時効が完成していないのか 1971年の殺人事件の容疑で指名手配されていた被疑者(以下「A氏」とする。)が、別の被疑事実で逮捕されたという報道が話題を呼んでいる。なお私は被疑者段階での実名報道は拡散しないことに決めているから、本稿でも報道は引…

フジテレビ出演よりもホッテントリ入りの方がPV増効果は大

痴漢関連の一連のエントリに反響が大きかったことから、ここ数日で立て続けに本ブログが各種メディアに取り上げられた。 メディアごとに、本ブログのPV数がどの程度増えたかを以下にまとめてみる。 1. 毎日新聞Web版 まずは、私が取材に応えた毎日新聞web版…

Wi-Fi時代に東京都のネカフェ規制は正当化されないのではないか

ときどき出先で仕事をしたいときにネットカフェに入る。 弁護士は高度の守秘義務を負っているから、飲食店などでは仕事はしにくい。したがってカラオケボックスかネットカフェを探すことになる。 ところで、東京都内でネットカフェに入るときは、いちいち身…

「情況証拠は弱い証拠」という誤解について

きわどい否認事件で有罪判決が出たり、その有罪判決が上級審や再審で覆されたりするたび、「そもそも情況証拠だけで有罪判決を出すのがおかしい」というネット民の意見が多数観察される。*1 今回は、このような意見が誤りであることについて書く。 togetter.…

正しい知識で誤りを上書きすることの必要性と困難(痴漢シリーズ最終編)

痴漢を疑われても逃げるべきではない理由 - 弁護士三浦義隆のブログ 痴漢を疑われた場合の弁護士アクセス手段をいくつか挙げておこう - 弁護士三浦義隆のブログ 痴漢冤罪問題は刑事司法問題の縮図だ - 弁護士三浦義隆のブログ 痴漢関連の3つのエントリはいず…

痴漢冤罪問題は刑事司法問題の縮図だ

痴漢冤罪の件、「冤罪被害者の人権を守れ」とか恣意的なこと言ってるうちはダメだよ。本当はやってなくても真実を知ってるのは本人と真犯人だけ。痴漢被害者や捜査機関にとっては「やったくせに言い訳してる奴」なんだから。真犯人含め、しかも痴漢に限らず…

痴漢を疑われた場合の弁護士アクセス手段をいくつか挙げておこう

前回エントリにはきわめて大きな反響があった。 専門家の見解を全く信用せず「逃げるべし」という結論にこだわる人が多いのは少し意外だったが、説得しようとも思わない。 俺のブログに「俺は信じないぞ!逃げるしかない!」とか反応してる人は放射脳とかネ…

痴漢を疑われても逃げるべきではない理由

痴漢を疑われた人が逃走し、ビルから転落して死亡したという事故が起きてしまった。 www3.nhk.or.jp 痴漢を疑われた場合にどのような対応をすればよいかについては、弁護士の間でも意見が分かれていた。この機会に私の意見を述べておこう。 まず、駅事務室な…

学用品のデザインの男女差について

小学1年生の娘を、毎朝学校の近く(学校の手前の信号を渡るところ)まで送って行っている。 朝の支度は妻に任せて、私は娘と出かける時間ギリギリに起きる。 今朝私が起きてリビングに出たら、娘は図工の授業で使う画材セットのチラシとにらめっこしていた。…

客としての嫁

今日は専門とは関係ない話。 ツイートしようとしたら思ったより長くなったので、数ツイートに分割するよりはブログに放流することにした。 ゴールデンウィークが終わってしまって数日経つ。ゴールデンウィークには実家に帰省した人も多いだろう。 私は4月28…

ブラック企業経営者はDV加害者に似ている

離婚と労働事件は、いずれも私が比較的よく扱っている分野だ。 DV・モラハラ加害者が「二人で話し合えば解決したのに弁護士が入ったから話がこじれた」と主張する率は異常。 https://t.co/kFFlQSVJys — ystk (@lawkus) 2017年5月2日 先日このツイートをした…

はてなブログ2週連続1位

週刊はてなブログから通知が来て、最新の週間ランキングで1位だったことがわかった。 11位と12位も私のエントリ。 先週のランキングも1位だったので、2週連続1位ということになる。 本ブログ、とりわけランキング上位に来ているエントリでは、何も新奇なこと…

実印を登録したままにしておいてはいけない

実印は、経営者等でしょっちゅう使う人以外は登録しておかない方がよいです。面倒でも、使うときにその都度登録して、使い終わったらすぐに廃印することを強くお勧めします。実印は裁判で高い証拠力を有するので、親族等に実印を悪用されたためにえらいこと…

妻が不倫相手の子を産んでも1年過ぎたら争えない

既婚者が不倫をした結果、相手を妊娠させる/自分が妊娠するということは結構多い。 私がふだん離婚事件や不貞行為の慰謝料請求を扱っていての実感としても、不倫による妊娠ケースはそんなに珍しくない。 夫が未婚者と不倫して不倫相手が出産した場合、その…

なぜ保険会社は低額の提示をしてくるのか

前回エントリには大きな反響があった。 はてなブックマークの人気エントリ1位になったし、PVは10万を優に超えている。 保険会社が正当な(裁判をしたとすれば認められるべき)損害賠償額から大きくかけ離れた低額の提示をしてくるのが常であることは、弁護士に…

弁護士が車に轢かれた結果を晒してみる

弁護士は守秘義務があるから担当事件のことは書けない。 以下は仕事ではなく自分の話なのでネタにしてみよう。 古い話だが去年の3月1日に車に轢かれた。 【悲報】車に轢かれる — ystk (@lawkus) 2016年3月1日 自転車で普通に車道左端を走っていたら、いきな…

「地毛証明書」は適法か

都立高校の約6割が、一部の生徒から入学時に「地毛証明書」を提出させているという報道が大きな反響を呼んでいる。 www.asahi.com クソみたいな制度だと思うが、感想を述べるだけなら誰でもできるから、法律家として適法性を検討してみよう。 前提として、染…

ブログ開設初月は13万PV

4月3日に本ブログを開設して4週間。 ここまでのPVは13万強だ。 初月は5万くらい行けばいいかなと思っていたが、予想していたよりも読まれた。 下旬になって下記の3記事が連続してホッテントリ入りしたのが大きかった。急激に伸びた。 http://miurayoshitaka.…

【削除しました】木村草太教授に懲戒請求された某弁護士のゴミ記事

もともと、本稿では、憲法学者で首都大教授の木村草太氏が、埼玉弁護士会に対し、同会所属弁護士のO氏を懲戒処分するよう請求した件について書いていた。 O氏が、O氏の事務所の公式サイトのコラムで木村氏に対し人格攻撃的な記述をしたのが懲戒請求の原因で…

労働者が労基法について1つだけ覚えておくとしたら

東本願寺の僧侶に残業代が支払われておらず、労使交渉の結果支払われることになった、という報道に接した。 headlines.yahoo.co.jp 残業代不払も、交渉や裁判の結果支払われることになるのもよくある話だ。私にとっては日常業務である。 もっとも、ちょっと…

退職の際に有休消化させない企業でも強引に消化する方法

年次有給休暇(以下、「有休」という。)は労働者の権利だ。 6か月以上の継続勤務や、対象期間の労働日の8割以上出勤などの要件はあるが*1、そうした要件さえ満たせば、どの企業でも付与される。 法律上当然に付与されるし、就業規則などに有休を与えない旨の…

司法書士及川修平氏による素人並の駄文について

司法書士の及川修平氏が書いた「なぜプロ野球選手は乱闘をしても逮捕されないのか」というブログ記事がハフィントンポストに掲載され、弁護士たちを困惑させている。 www.huffingtonpost.jp 司法書士は基本的には登記の専門家だ。法律上は弁護士も登記業務を…

重婚罪の成立・立件は現実的にあり得るか

ここ2日ほど、政治家のスキャンダル絡みで、「重婚」という単語がネット上によく出現している。 私はそのスキャンダルには全く興味がないから、本稿はそのスキャンダルの報道などを何も見ずに書いていることを先にお断りしておく。 twitter等で、「現代日本…